タロットの種類によっては、この愚者というカードには0という数字が割り当てられていたりするけれど、マルセイユタロットの場合は番号が振られていない
もともとはカードゲームのカードだったタロットの中で、このカードはいわばジョーカーの役割だったらしい
なので番号はなく、カードのどの順番にも存在し得る、そんな特殊なカードである
デッキによっては一番最初にあったり、最後に置かれていることもある
決まった場所にあるわけではないけれど、どこかに存在しているカードである
このカードに描かれている愚者とは?
よくこのカードを解説する書籍などに、「ボロボロの服を着て~」と読んでいるものを見かけることがあるけれど、それは現存する最古のタロットといわれているヴィスコンティ版からのイメージなのだろう
ヴィスコンティ版タロット
マルセイユ版を見ても、ウエイト版を見ても、どう見てもボロボロの服を着ているようには見えない
マルセイユ版 愚者 ウエイト版 愚者
ウエイト版の愚者が貴族の服を着ているのに対し、マルセイユ版の愚者は道化師の姿をしている
中世の宮廷に雇われていた、人に笑いを届ける職業、現代で言うところのコメディアンのような役割を担っているのが道化師である
コメディアンを見てもわかるが、人の悩み、問題なども笑いに繋げ、一蹴してしまうような存在である
解釈のヒント
そんな事どうでもいい
そんな事で悩んでいるなんて時間の無駄
今どれだけ悩んだってどうしようもない
時間が経てば、どうでもいいことだったと気づくはずだよ
と、ちょっと離れたところから見てくれる そんなカード
深刻な悩みだろうと、そんなことどうでもいい、そんなことで悩んでいるなんて時間の無駄だよと笑い飛ばしてしまうだろう
例えば友人から何か相談をされたとき、心の中では「いや、そんな事悩む必要ないだろう」などと思うことはないだろうか
逆にあなたの相談を、友人から「たいしたことない」と一蹴されたことはないだろうか
本人にとっては深刻な悩みであっても、当事者ではない他人からは、どうでもいいことだと思われてしまう
このどうでもいいという視点が、愚者の視点である
よくあることだが、女性が男性に「どっちがいいと思う?」と2種類の洋服などを提示する
その時に男性は「どっちでもいいよ」という愚者の視点にいる
その答えを聞いた女性は、「私がこんなに悩んでいるのにわかってくれない」と拗ねてしまうだろう
でも時には「確かにどうでもいいかも」と納得してしまうこともあるだろう
そんなときは女性も、愚者の視点で見ているということになるだろう
他人事がどうでもいいこともあれば、自分の悩みだってどうでもいいことがある、それに気づくと悩んでいることが馬鹿らしくなってくることもあるだろう
そんな事で悩むだけ無駄、過ぎてしまえば大したことの無い、どうでもいいことになるよ
そんな視点で、荷を下ろさせてくれるのが、愚者のカードである
オーラソーマから見る愚者
神秘性を表す上層ロイヤルブルー、無限の可能性を意味する下層ディープマジェンタからなる、B0 スピリチュアルレスキューのボトルが、愚者と対応するボトル
神秘の力と無限の可能性、自分の中にある可能性に気づき、大いなる愛に気づきなさいと告げている
ボトルの名前が示す通り、精神的に傷ついたり、ダメージを負ったときに、それを癒してくれる力を持っているボトルである
大いなるパワー、エネルギーがヒーリングなどで人をサポートできる源となる
インスピレーションを大切にし、深い目線で物事を見る事、それを生活に生かしていくことができるだろう
まとめ
そのネーミングから、一見するとさほど力の強くないカードだと感じる方もいるかもしれない
でもこの愚者こそ、物事にエネルギーを与え、動かしていくパワーを持っている
旅支度をしていることからわかるように、そのエネルギーを発しながら、周りに影響を与えながら動いていく、解放や脱出といった力も持っている
周りのカードにエネルギーを与えたり、または逆に奪ったりもしてしまう、影響力を持ったカードである
コメント